目次
1. メモ
- 三色ボールペンを使いながら読書するのまじではかどる
- 赤は本筋、青は設定、緑は印象。でやると、結構よき。
- ただし、電車でやるのが難しいところ
2. 時事オピ
H3ロケット打ち上げ 2回目の失敗、日本の宇宙開発に大打撃
https://news.yahoo.co.jp/articles/d7a24bf7b44cf51531693aefa87013c41ac12544
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は22日午前10時50分ごろ、H3ロケット8号機を鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げた。
ロケットは失敗してなんぼの世界。長い目でみましょう。
3. 箱を開けたら氷だけ。帰省前に知っておきたい、親を絶望させる「カニ詐欺」のリアル
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師走の冷たい風が吹き始め、街が年末年始の準備で慌ただしくなるこの季節、多くの家庭では団欒の食卓を囲む計画が立てられていることでしょう。しかし、その温かい時間を冷徹に狙い撃ちにする悪質な「カニ詐欺」が、今年もまた静かに、しかし確実に広がっています。数年前のコロナ禍を機に急増したこのトラブルは、2022年には国民生活センターへの相談件数が2000件を超え、社会問題化しました。その後、啓発活動の効果もあってか相談件数自体は減少傾向に転じているものの、その手口はより巧妙かつ悪質に進化しており、被害の深刻度は決して下がっていません。むしろ、社会の目が届きにくい年末年始に被害が集中することで、救済が遅れるケースが後を絶たないのが現状です。
この詐欺の恐ろしさは、その手口が極めて単純でありながら、人間の良心と記憶の隙間を巧みに突く心理操作に基づいている点にあります。北海道などの水産会社を名乗る電話が、突然自宅にかかってくることからすべては始まります。「コロナの影響がまだ残っていて在庫が余っている」「物価高で経営が苦しいから助けてほしい」といった情に訴える言葉で、相手の同情心を誘います。そして、何気ない会話の中で放たれる「カニはお好きですか」という質問。これに対し反射的に「はい」と答えた瞬間、相手はそれを「購入の承諾」と勝手に解釈し、畳み掛けるようなセールストークを展開します。「本来なら4万9800円のセットですが、今回限り1万9800円にします」「サービスでホタテとイクラも付けます」といった魅力的な提案で判断力を奪い、数日後には問答無用で代金引換便が送り付けられるのです。
届いた箱を開けた時に広がるのは、喜びではなく深い絶望です。代金に見合うはずのない、身がスカスカで氷ばかりが詰まった粗悪なカニ。サービスと言っていたホタテもイクラも見当たらないか、あまりにも貧相な代物であるケースが大半です。しかし、この問題の本質は商品の品質以前に、ターゲットとされる被害者の属性にあります。被害の多くは70歳以上の高齢者が占めており、彼らは日常的に「お金」「健康」「孤独」という三つの大きな不安を抱えて生活しています。一人、あるいは夫婦だけで静かに暮らす家にかかってくる電話は、たとえそれが勧誘であっても、社会との繋がりを感じさせる稀有な機会となってしまっているのです。詐欺業者はその孤独に漬け込み、親しげな口調で警戒心を解きほぐします。会話が長引けば長引くほど、高齢者は相手を拒絶することに罪悪感を覚えたり、あるいは判断力が鈍って「昔旅行で行った店かもしれない」という曖昧な記憶にすり替えられたりして、不本意な契約を結んでしまうのです。
法的な側面から見れば、消費者を守るための武器は以前よりも強化されています。令和3年の特定商取引法改正により、注文していない商品が一方的に送り付けられた場合、消費者はそれを受け取った直後から自由に処分できる権利を得ました。かつてのように保管義務に悩む必要はなくなったのです。また、電話勧誘販売で承諾してしまった場合でも、契約書面を受け取った日から8日間以内であれば、たとえ生鮮食品である海産物であってもクーリング・オフが適用され、無条件で契約解除が可能です。これは非常に強力な権利ですが、現実にはその行使に至らないケースが多発しています。高齢者がクーリング・オフという制度自体を知らなかったり、手続きの複雑さに尻込みしたり、あるいは業者が連絡先を明記せず雲隠れしてしまったりすることで、泣き寝入りを強いられるのです。
このように、カニ詐欺の問題は単なる「悪質業者対消費者」という構図を超え、超高齢社会が抱える構造的な脆弱性を露呈させています。消費者庁や国民生活センターは毎年この時期になると注意喚起を行い、消費者ホットライン「188(いやや)」の活用を呼びかけていますが、電話という密室で行われる瞬間的な心理戦に対し、個人の警戒心だけで対抗するには限界があります。本来であれば、業者の通話記録の外部検査や、代金引換便を利用する際の条件厳格化、高齢者宅への勧誘電話そのものを制限する事前登録制度など、より踏み込んだ制度設計が求められる段階に来ていると言えるでしょう。
しかし、法整備やシステムが追いつくのを待っている間にも、電話のベルは鳴り続けます。いま私たちにできる最も有効な対策は、物理的な防衛策と、心理的な孤立を防ぐことの二つです。固定電話を常に留守番電話設定にしておき、知らない番号には出ないという基本を徹底することはもちろんですが、それ以上に重要なのは、家族や周囲の人々とのコミュニケーションです。年末年始、実家に帰省する際や電話をする際に、「最近、変な電話はないか」と一声かけるだけで、高齢者の警戒心は喚起され、心理的な防波堤を築くことができます。
「カニ」という、本来であれば家族の笑顔とともにあるべき冬の味覚が、悪意ある者たちの道具として使われることは許しがたい事実です。しかし、その悪意が入り込む隙間を作っているのが、社会的な孤独であるならば、それを埋めることができるのは身近な人々の関心と思いやりしかありません。もし、実家の親御さんが「カニを安く買ったんだ」と嬉しそうに、あるいは少し不安そうに話していたら、まずは否定せずに話を聞き、その背景に不審な電話がなかったかを確認してください。そして万が一、被害に遭ってしまったとしても、決して本人を責めず、速やかに消費生活センターへ相談するよう促すことが重要です。美味しいカニを囲むはずの食卓が、後悔と悲しみに包まれることのないよう、この冬は「カニ」の話題とともに、防犯の意識も家族で共有する季節にしたいものです。