Skip to content

柔らかい文章を心がけています

に公開
目次

1. メモ

2. 時事オピ

フィジカルAI、周回遅れ日本に商機 「実績と信頼性」 ITとメーカー協業

https://x.gd/AQuwP

米国や中国など各国が人工知能(AI)の開発を急ぐ中、日本は周回遅れとされてきた。巻き返しの鍵を握りそうなのがAIを活用してロボットなどを自律的に制御する「フィジカルAI」だ。

やっぱりフィジカルは偉大なのよ。セクサロイドとか近いうちにできるのかね

3. 生成AIで周回遅れの日本が、世界をひっくり返すかもしれない話

5分で解説

生成AIの分野では世界的な開発競争においておくれをとったといわれる日本ですが、いま産業のありかたそのものを大きく変えるような重要な転機が訪れています。米国や中国が言語モデルというデジタルの脳の開発にしのぎを削るなかで、日本が勝機を見いだそうとしているのが、AIを活用してロボットなどの物理的な実体を自律的に動かすフィジカルAIの領域です。この分野において、日本が長年ものづくりの現場でつちかってきた信頼性としっかりとした技術の土台は、世界でもめだつ強みとして再評価され始めています。

こうした流れを後押しするように、高市早苗政権下で1兆円規模の投資が打ちだされるなど、国をあげた支援体制がととのいつつあります。この好機を逃すまいと、国内外のIT企業が日本のメーカーに関心を寄せているのが現状です。12月のはじめに開催された2025国際ロボット展では、まさにフィジカルAIをめぐる産業界の熱気が目に見える場となりました。世界中の企業が最新技術を競うなかで、日本勢は自動車製造などでみがき上げてきたロボットアームや運搬ロボットの展示に力を入れ、その存在感を示しました。

なぜこれほどまでにフィジカルAIが期待されているのかといえば、AIの精度があがることによってロボットが複雑な状況判断を行えるようになり、人間と肩を並べて作業することが現実的になってきたからです。これまでのロボットは特定の単純作業を繰り返すことに特化して設計されており、いくつもの異なる仕事を同時にこなすことは困難でした。しかし、現場の端末やクラウドで動作するAIがリアルタイムに視覚情報やセンサー情報をまとめて解析することで、その場の状況を的確に判断し、ロボットに最適な動きを指示できるようになります。これにより、一台のロボットが多様な業務に柔軟に対応する多能工化が実現し、生産性の向上だけでなく、深刻化する人手不足の解決策としても期待が寄せられているのです。

この競争において日本の強力な武器となるのが、実績に裏打ちされた信頼性です。楽天証券経済研究所の土信田雅之シニアマーケットアナリストが「現場ですぐ壊れてしまうと意味がない。日本企業は実績と信頼性がある」と指摘するように、産業の現場ではなによりも耐久性と正確性が求められます。画像センサーなどの電子部品に加え、ロボットを動かすための駆動装置や関節部品といった機械の部品において、日本企業は圧倒的なシェアと技術力を持っています。こうした部品を安定して供給できる能力と、それらを組み合わせてシステムとしてまとめる力が、フィジカルAI時代において他と差をつける決定的な要因となります。

企業の動きも活発化しており、安川電機とソフトバンクの提携はその象徴的な事例といえるでしょう。安川電機が持つ産業用ロボット分野での確かな信頼と実績に、ソフトバンクの通信技術やAI技術を融合させることで、ロボット自身が高度な判断力を持った自律的なシステムの開発が進められています。外部のシステム情報とロボットのセンサー情報を統合し、リアルタイムで最適な指示を出すしくみを構築することで、実装上の課題をすばやく解決しようという動きです。このように異なる強みを持つ企業が手を組むことで、新たな価値が生まれつつあります。

市場の成長予測も明るい材料です。日本のロボット市場は今後堅調な拡大が見こまれており、とくに産業用ロボットの分野では大きな成長が予想されています。2030年代半ばには市場全体が10兆円規模に達すると見られており、この成長を引っ張るのが労働力不足への対応とフィジカルAIの実装です。

日本が直面している少子高齢化という人口動態の課題は、逆説的ですが産業競争力の源泉となりうる側面を持っています。人手が足りない状況が深刻化するなかで、自動化や省人化へのニーズは待ったなしの状況にあり、これが企業の投資意欲を強く刺激しているからです。とくにビルや病院、学校といった不特定多数の人が行き交う場所では、これまでのプログラムされたロボットでは対応しきれない予測不能な事態が日常的に発生します。フィジカルAIは、こうした複雑な社会課題を日本発の技術で解決するための重要な鍵として位置づけられています。

もちろん、社会への実装に向けては技術的な壁だけでなく、制度的な課題も山積しています。リアルタイムでの検知精度と処理速度のバランス、セキュリティ対策にかかるコスト、そして業界標準の策定など、一筋縄ではいかない問題ばかりです。安全性と信頼性を確保するためには、一企業の努力だけでなく、業界全体や政府を含めた複数の関係者が協力して取りくむ必要があります。

日本がこの領域で勝ち抜くための戦略は、米国のソフトウェア中心のアプローチとも、中国の量産とコスト重視のアプローチとも異なる、第三の道にあります。現場に対する深い理解と高度なハードウェア技術を組み合わせた用途特化型のアプローチこそが、グローバルな巨大企業がまだ到達していない領域で他との違いを生みだすことを可能にします。製造、建設、物流、医療など、日本が強みを持つ現場には、まだデジタル化されていない膨大な知恵が眠っています。これらを体系化してAIに学習させることで、世界の誰も真似できない現場の知恵のAI化が実現されるはずです。

経済産業省などが巨額の予算を投じて基盤モデルの構築を進め、富士通などがAIとロボットをなめらかに連携させる技術開発を行うなど、官民が一体となって実装体制の構築を急いでいます。生成AIでは後塵を拝した日本ですが、フィジカルAIの領域では、確かな技術力と切実な社会課題、そして政策的な支援というピースがそろいつつあります。単なる技術革新にとどまらず、日本の産業構造を作りなおし、国際競争力を取りもどすための重要な戦いが確実に始まっているのです。



前の投稿
超音波加湿器の手入れ大変
次の投稿
ドカ食い気絶の代償