目次
1. つぶやき
J・N・チェイニー『戦士強制志願』を読み始めた。『宇宙の戦士』以来のワクワク感。
2. 「唐揚げバブル」の完全崩壊と再生。倒産半減が告げる「本物」だけが残る時代【ニュースをディグってみた】
コロナ禍において、テイクアウト需要の高まりと共に急増した「唐揚げ専門店」の出店ブームは、その後の過当競争と環境変化を経て、今、大きな転換期を迎えている。一時は激烈な「淘汰の波」にさらされていた唐揚げ店経営業者の倒産件数が、ピーク時と比較して大幅に減少し、ブーム終焉後の業界の「定着」を示す兆候が見え始めたのだ。
東京商工リサーチの調査によると、持ち帰りを中心とする「唐揚げ店」経営業者(負債額1000万円以上の法的整理)の倒産件数は、2025年1月から11月までに12件発生した。この件数は、過去最多を記録した2023年の27件から半減以下となり、前年2024年の16件と比べても25%の減少である。年間を通して見ても、倒産件数は2年連続で前年を下回る見込みであり、一時的なブームに乗じた事業者の撤退が一巡し、業界全体としての構造調整が収束に向かっていることが示唆されている。
唐揚げ専門店を巡る環境変化は、大きく二つのフェーズで捉えることができる。第一のフェーズは、2020年から2022年にかけての「ブームと飽和」の時期である。この期間は、コロナ禍における外食規制や自粛ムードの中で、テイクアウトやデリバリーに適した唐揚げが消費者の強い支持を得て、新規参入が爆発的に増加した。初期投資の少なさや、比較的シンプルなオペレーションも相まって、異業種からの参入も相次いだ結果、全国各地で急速に店舗数が飽和状態に陥った。この過剰供給こそが、後の「淘汰の波」を生み出す温床となったのである。
第二のフェーズは、2023年以降の「淘汰と定着」の時期である。コロナ禍の収束に伴い、人々の生活様式が変化し、外食やイートインの需要が回復する一方、テイクアウト専門店としての優位性が薄れた。さらに、この時期に直面したのが、原材料費や光熱費、人件費などの「物価高」の波である。小麦粉や食用油、鶏肉といった主要な食材の価格が高騰したことで、多くの店舗が採算性の悪化に苦しむこととなった。
特に唐揚げは、国民食としての認知度が高く、消費者が持つ「適正価格」の意識が非常に強い商品である。そのため、安易な価格転嫁は「客離れ」を招きやすく、経営体力の弱い事業者は、収益悪化をカバーできずに倒産へと追い込まれていった。「2023年に倒産件数がピークに達した」のは、まさにこのコスト高騰と競争激化のダブルパンチが最も厳しく作用した結果であると言えるだろう。
しかしながら、2025年に入り倒産件数が半減したことは、この「淘汰の波」がほぼ収束したことを意味する。激しい競争の中で生き残った事業者は、単にブームに乗っただけではなく、確固たる経営基盤と「差別化戦略」を持っていたと推測される。
生き残りを果たし、「定着」へと移行した唐揚げ専門店が実践している戦略から、今後の飲食業界が学ぶべきことは多い。その核となるのは、「商品力」と「価格戦略」の二点である。
まず、「商品力」についてである。単に唐揚げを提供するだけでなく、独自のタレやスパイスによる「フレーバーの多様化」、使用する鶏肉の部位や品種にこだわる「素材の差別化」、あるいは唐揚げを軸にした定食や丼ものなど、「メニュー構成の強化」を図ることで、顧客の多様なニーズに応えることに成功している。ブーム時に乱立した「画一的な商品」を提供する店が淘汰された一方で、個性を確立し、リピーターを獲得できた店舗が生き残ったのだ。
次に、「価格戦略」である。物価高の中で価格維持は困難であるが、単価を上げる際に顧客の「納得感」を得られるかどうかが鍵となる。具体的には、「ボリューム感」の訴求や、「セットメニュー」や「ファミリーパック」などの提供によって、グラム単価としての割安感を演出する方法である。例えば、一品当たりの価格を上げても、総量や付加価値を高めることで、顧客に「値上げ以上の価値がある」と感じさせる工夫が凝らされている。
また、「地域密着型」の経営戦略も重要性を増している。フランチャイズチェーンの大量出店による勢いから、地域コミュニティに根差し、日常の食卓を支えるインフラとしての役割を担う店舗へと変化しているのだ。地元の顧客との信頼関係を構築し、高品質な商品を安定的に提供できる経営努力が、長期的な「定着」を支える柱となっている。
唐揚げ専門店は、一時のブームから、日本の食文化に「定着」した新たなカテゴリーへと進化を遂げたと言える。倒産件数の減少は、業界が健全な競争環境へと移行し、市場の適正規模に収まりつつある証拠である。今後は、ブームを牽引した初期の勢いではなく、堅実な「経営戦略」と「顧客視点に立った商品開発力」が、この市場で生き残り、さらなる発展を遂げるための絶対条件となるだろう。この「定着」期を迎えた唐揚げ業界の動向は、今後新たなブームが発生した際の事業展開のモデルケースとして、広く注目されるべきである。
3. 時事オピ
【3】食品?コスメ?「ドラッグストア」各社の特色とは “戦国時代”にウエルシアとツルハが経営統合【Nスタ解説】
《概要》
競争が激化しているドラッグストア業界。業界再編の動きが加速する中、各社が特色を打ち出している。
《解説》
ウエルシアとツルハの大型統合を機に、業界の再編はさらに進むと見られている。各社は規模の経済を追求しつつ、それぞれ独自の強み(調剤、食品、コスメ、低価格など)を活かして、他の小売業態との競争に打ち勝つ戦略を加速させることになるだろう。
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【2】「唐揚げ店」の倒産、ピークから半減 淘汰の波は収束へ 唐揚げブームから「定着」へ変化
《概要》
コロナ禍の「出店ブーム」で競争激化が続いた唐揚げ専門店の「淘汰の波」が収束の傾向をみせている。持ち帰りを中心とした「唐揚げ店」経営業者の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は、2025年1-11月に12件発生した。過去最多だった2023年(27件)に比べて半減、前年(16件)から25%減となり、年間でも2年連続で前年を下回る見込みとなった。
《解説》
物価高を背景に安易に値上げすると客離れを招くため、「差別化戦略」を打ち出すか、ボリュームやセットメニューで「納得感のある価格設定」を行う必要がある。生き残りを果たし、「定着」したからあげ専門店から学ぶべきことは多い。
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【1】スーツ不況で明暗。快活クラブ好調なAOKI、変われなかった王者・青山
《概要》
スーツ量販店といえば、「洋服の青山」を展開する青山商事とAOKIホールディングスの2社が長らく市場をけん引してきた。だが、リモートワークの普及やオフィスウェアのカジュアル化が一気に進み、スーツ需要は構造的な縮小局面にある。市場環境は同じはずなのに、ここ数年で両社の“明暗”が分かれつつある。
《解説》
青山商事は「スーツ事業」への依存度が高いビジネスモデルから脱却しきれていないのに対し、AOKIホールディングスは「スーツ事業」と「非スーツ事業(特に快活クラブ)」の「二本柱」を確立し、構造変化に対応できていると言える。この多角化の成功こそが、AOKIをスーツ不況下での「好調」に導いた要因である。
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